Reserch
私は海の温暖化ガスを調べていました。それについてざっくりとお話しします。
<研究内容>
温暖化ガスには二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)が良く知られています。
それに加えて、一酸化二窒素(以下N2Oと表記)という温暖化ガスも存在します。
図3は大気中のN2Oの濃度を示しており、年々その濃度は上昇しています。
この理由は人類活動による窒素化合物の消費量(肥料・化石燃料)が
増大しているからと考えられています。
そのため、N2Oが将来の気候変動に大きな影響を与えると懸念されています。
N2Oは一般的に環境中で肥料や生き物が微生物によって分解されることで生成されます。
また割合は小さいものの、化石燃料の燃焼でも生じ、それらが大気へと放出されます。
中でも海洋からの放出量は全体の約21%と大きいため、
海洋はN2Oの大きな放出源だと現状では考えられています。
しかし海洋でN2Oが生成される仕組みは非常に複雑であり、
その放出・生成量について定量的な理解は実際のところ得られていません。
将来の気候変動の対策や正確な予想のために、海洋でN2Oが生成される仕組みを理解し、
定量的な放出量を解明することが求められています。
今回の研究は海水中に溶けているN2Oを表層から深層まで分析することで、
海洋のN2Oの生成量とその仕組みについての知見を得ることを目的に行いました。
<一言>
調査船には多種多様な専門分野に精通した研究者方・学生達が乗船しています。
海洋だけでなく、大気・生物を専門にされている方も乗船されていました。
しかし専門・研究内容が異なっても、全員が協力し合って研究を進めていきます。
そのため、チームで物事に取り組むのが好きな人には魅力的な環境だと思います。